生産者:Testalonga by Craig Hawkins /テスタロンガ
ワイン名:El Bandito I wish I was a Ninja / エル・バンディート・アイ・ウィッシュ・アイ・ワズ・ア・ニンジャ
葡萄品種:Colombard / コロンバール
ワインタイプ:ペティヤン・ナチュレル(微発砲ワイン)
生産国:南アフリカ
生産地:Swartland / スワートランド
ヴィンテージ:2019
インポーター:ラフィネ
近年訪問した中で特に印象的だったのが南アフリカ。ドバイを経由してトータル約30時間の旅程は、歳を取ってからだと厳しいものになりそうだ。そういう意味でも比較的無理の利く若いうちに訪問できてよかったと思う。
ケープタウンに到着し、その足で向かったのがスワートランド。南アフリカ随一の生産地として有名で、個人的に会いたい生産者が最も多かったのもこの地であった。中でも日本で事前にテイスティングしたテスタロンガには是非行きたいとリクエストすると、なんと既に最初の訪問地としてアポが取られていて小躍りしたものである。到着したのが夜遅かったこともあり、その日はホーキンス夫妻とディナーをして就寝。翌日ワイナリーを訪問した。夫妻と巨大な愛犬たちに迎えられ(生産者は実に犬好きが多い!)、片っ端からテイスティングを開始。飲み疲れた頃に出てきたのがこちらのペット・ナットだった。
最近流行の兆しのあるこのペット・ナット。厳密にはペティヤン・ナチュレルと言い、シャンパーニュを代表とする瓶内二次発酵のスパークリングワインとは、異なる個性を有する発泡性ワインである。ここでその造りについてダラダラと語るのは控えるがその飲み口は良い意味でカジュアルかつ優しさを感じるものが多い。
この時のペット・ナットも、やや高めのアルコールに疲れかけていた鼻や舌を大いにリフレッシュしてくれた。香りはアロマティックで、白桃やライチのような充実した果実のニュアンス。シャープな酸味と口中を軽く刺激してくる優しいバブル。フィニッシュにグレープフルーツのような苦味が残り、心地よい後味を演出している。極めてバランスの良いワインだと言える。
あわせる料理やシーンについてはあまり言及しないが、かなり頻繁に使用するワインだということだけお伝えしたい。もちろん自宅での晩酌に開けることもある。僕にとってこのワインは旅の思い出であると同時に、日常に存在するまさにデイリーワインでもあるからだ。南アフリカ産がデイリーワイン、良い時代になったものである。