生産者:Lourens Family Wines / ローレンス・ファミリー・ワインズ
ワイン名:Skuinskap Steen / スクインスカップ・スティーン
葡萄品種:Chenin Blanc
ワインタイプ:白ワイン
生産国:南アフリカ
生産地:Piekenierskloof / ピケニアーズクルーフ
ヴィンテージ:2017
インポーター:ラフィネ
どんなに優れたテロワールや高樹齢のブドウ畑の存在が明らかになっても、ワインという形で認められなければ、その存在や価値を認識するには至らない。そこで重要な役割を果たしたのが、スワートランドの醸造家イーベン・サディである。高樹齢のブドウ畑の農家と、志を同じくするイーベンのような優れた醸造家が繋がることで、その土地、その畑でしか表現できない優れたワインが誕生し、世界中のワイン専門家たちの注目を集めるようになった。
イーベン・サディと並び、今や南アフリカワインシーンを牽引する生産者として必ず名前があがるクリス・アルヘイトも、オールドヴァインに魅せられたワインメーカーのひとりで、白ワインにフォーカスして南アフリカのテロワールを表現している。
そして、クリスのアシスタントワインメーカーが、今回紹介するワインを手掛けるフランコ・ローレンスだ。まだ自身のワインを造り始めて間もない駆け出しのフランコが、クリスの背中を追うようにオールドヴァインの畑を見出し、いくつかのシングルヴィンヤードワインを生産している。
2018年9月の南ア訪問で初めてフランコと出会い、彼のワインをテイスティングして、度肝を抜かれた。さすが、クリスの弟子!南アフリカワインシーンは、次の世代も着実に育っていて、非常に有望で頼もしいと感じさせてくれた。
スクインスカップとは、ラベルに描かれたこのブドウ樹の仕立て方、そして、スティーンとは、かつての南アフリカでのシュナン・ブランの呼び名である。
カリンや生姜のようなニュアンスがあり、柔らかな口当たり。熟した果実風味がありながらもバランス良い酸味とミネラル感が全体を引き締め、ほんのりとスパイスを伴った繊細な長い余韻が楽しめる。シリアスさとチャーミングさを兼ね備えたワインだ。
フランコに畑の樹齢を聞くと、なんと私と同じ年だった。幸運にも人里離れたピケニアーズクルーフの山の中にひっそりとあるこの美しい畑に訪問することが叶った。前日に降った大雨で渇きを潤したブドウ樹たち。朝の澄み切った空気の中、一生忘れられない記憶を刻んだ瞬間だった。